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「一つ失敗しただけで、もう全部ダメだ」と感じてしまう。うまくいかないと、0か100か、白か黒かでしか考えられなくなる。もしあなたが今そういう自分に疲れているなら、この記事はあなたのために書きました。
まず結論から言います。白黒思考は、あなたの性格ではありません。心理学できちんと名前のついた「認知のクセ」で、直し方も分かっているものです。だから、直せます。
俺自身、47歳になるまで、この白黒思考でさんざん苦しんできました。転職を30回くり返し、そのたびに「一つできないから、自分はどこでもダメな人間だ」と思い込んで、全部を投げ出してきた人間です。この記事では、白黒思考の正体と、俺が実際に少しずつ抜け出してきた具体的な方法を、正直にお伝えします。読み終わるころには、「これは直せるものなんだ」と思えるはずです。
白黒思考とは?「全か無か」で考えてしまう思考のクセ
白黒思考とは、物事を「0か100か」「白か黒か」の両極端でしか捉えられなくなる考え方のことです。「全か無か思考」とも呼ばれます。中間の「グレー」や「60点」が、頭の中から消えてしまう状態です。
こんな考え方をしていませんか
たとえば、こんな考え方に心当たりはないでしょうか。
- 一つミスをしただけで「もう全部台無しだ」と感じる
- 完璧にできないなら、最初からやらないほうがマシだと思う
- ダイエットで一日食べすぎると「もうダメだ」と全部やめてしまう
- 少し注意されただけで「自分は全否定された」と感じる
- 「いつも」「絶対」「全部」という言葉がよく口に出る
一つでも当てはまったら、あなたは白黒思考のクセを持っているかもしれません。でも安心してください。これは珍しいことではなく、そして直せるものです。
白黒思考は性格ではありません|心理学が説明する「認知の歪み」
ここが一番大事なところです。白黒思考は、あなたの性格や人格の欠陥ではありません。心理学の世界では、これは「認知の歪み(cognitive distortion)」と呼ばれる考え方のクセの一つとして、きちんと整理されています。
認知行動療法(CBT)における「全か無か思考」
白黒思考は、認知行動療法(CBT)という心理療法の中で、代表的な「認知の歪み(認知のかたより)」のパターンとして知られています。実際、厚生労働省が作成した患者向けの資料「うつ病の認知療法・認知行動療法」でも、”0か100か”思考(白黒思考・完璧主義)が、よくある「認知のかたより」の一つとしてはっきり挙げられています(参考:厚生労働省「うつ病の認知療法・認知行動療法(患者さんのための資料)」)。
そして、この資料の中に、俺がすごく救われた一節があります。
「ここで問題にしているのは『あなた』ではなく、あなたの『考え』です。『人』は変えられませんが、『考え』は変えられます」
――つまり、白黒思考はあなたという人間の欠陥ではなく、変えられる「考え方のクセ」だと、国の資料でもはっきり言っているんです。ここに希望があります。
より詳しい白黒思考の解説やグレーな考え方への切り替え方は、精神科・心療内科のクリニックがまとめたこちらの解説も分かりやすいです(参考:心のクリニック武蔵小杉「白黒思考の脱却方法」)。
なぜ白黒思考だと疲れてしまうのか
白黒思考だと疲れるのには理由があります。世の中のほとんどのことは、実際には0でも100でもなく、その間のグレーだからです。60点のことも、40点のこともある。それなのに「100点じゃなければ0点」と採点していると、ほとんどの出来事が「0点=失敗」になってしまう。これでは、いくら頑張っても報われた気がしません。自分を責め続けることになり、心がすり減っていきます。
【実体験】白黒思考で、俺は何度も全部を投げ出してきた
ここからは、俺自身の話をします。きれいごとではなく、実際にどれだけこの白黒思考に振り回されてきたか、正直に書きます。
焼き鳥チェーンで働いていたとき、俺は串打ちがどうしてもうまくできず、オーダーミスも多かった。そのとき俺が思っていたのは、「自分は不器用でダメだ」「どこに行っても通用しない人間だ」ということでした。一つの仕事ができないことを、そのまま「自分という人間は全部ダメ」に拡大していたんです。これがまさに白黒思考です。
次に住み込みで新聞配達を始めたときは、人間関係のトラブルは何もなかった。それでも続きませんでした。そのとき俺は「人間関係の問題もないのに続かないなら、やっぱり自分がおかしいんだ」と、また自分を全否定しました。
コールセンターで働いたときも同じでした。電話対応はできていたのに、記録のミスがどうしても減らない。それだけで「自分は事務に欠陥がある」「社会人失格だ」と思い込んでいました。一つできないことがあると、他にできていることが全部見えなくなる。それが俺の白黒思考でした。
でも今は、見方が変わりました。串打ちができなかったのは「手先を使う仕事との相性」だっただけ。コンビニの仕事は5年半続いたんです。一つできないことは、自分の全否定にはならない。当たり前のことなのに、当時の俺には、これがまったく見えていませんでした。
この頃の話は、自分史として詳しく書いています。もし「ミスばかりの自分」を責めてしまう方は、こちらも読んでみてください。
▶ 仕事の向き不向きと、ケアレスミスの話(Day 32)
白黒思考の直し方|今日から試せる具体的な方法
ここからが本題です。白黒思考を直すために、俺が実際にやってきて効果を感じた方法を、3つに絞ってお伝えします。全部やる必要はありません。一つでいいので、今日試してみてください。
①「0か100か」ではなく「今日は何点か」で考える
一番のおすすめが、これです。何かをしたとき、「できた/できなかった」の2択ではなく、「今日は100点満点で何点だったか」と点数で考えてみる。完璧じゃなくても、40点でも60点でも、0点ではありません。「今日は60点、悪くない」と思えるようになると、白黒思考はぐっとゆるみます。この考え方の土台については、俺のブログの原点になった記事があります。
▶ 60点でいいという考え方(Day 1)
②「全部」「いつも」「絶対」という言葉に気づく
白黒思考のときは、頭の中で「全部ダメ」「いつも失敗する」「絶対うまくいかない」といった極端な言葉が浮かびがちです。まずは、その言葉が出てきたことに気づくだけでいい。気づいたら、「本当に“全部”か?」「本当に“いつも”か?」と自分に問い直してみる。たいていは「全部」でも「いつも」でもないことに気づけます。
③ グレーゾーンをあえて言葉にしてみる
「失敗した」で終わらせず、「ここはダメだったけど、ここはできた」と、白と黒の間のグレーをあえて口に出したり書いたりしてみる。俺の場合、「記録はミスしたけど、電話対応はできていた」と分けて考えられるようになったことで、ずいぶん楽になりました。全部を一色で塗らない練習です。
当時の俺と、今の俺|考え方はこう変わった
同じ出来事でも、白黒思考だった当時と、今とでは、見え方がまったく違います。参考までに、俺自身のビフォーアフターを表にしました。
| 出来事 | 当時の見方(白黒思考) | 今の見方 |
|---|---|---|
| 仕事で一つミスをした | 自分は全部ダメだ | 一つの失敗と、自分全体は別 |
| ある仕事が続かなかった | どこに行っても通用しない | その仕事との相性が合わなかっただけ |
| 記録のミスが減らない | 自分は事務に欠陥がある | 昔からの傾向。でも電話対応はできていた |
| 完璧にできなかった | やる意味がない、0点だ | 60点でも前に進んでいる |
もっと体系的に学びたい人へ|白黒思考・認知の歪みを理解する本
ここまでの対処法は、あくまで入口です。この記事の方法を試すだけでも十分に効果はあります。そのうえで、「もっとちゃんと、体系立てて学びたい」と思った方だけ、読んでみてください。俺自身、こうした本が、自分を責めるクセから抜け出すきっかけになりました。
白黒思考は、他の「認知の歪み」ともつながっています。目的別に、3冊を選びました。全部そろえる必要はありません。今の自分に合う一冊だけで十分です。
■ まず、白黒思考そのものをピンポイントで知りたい人に
『白黒/ゼロ100思考』(Yugami. 著)
白黒思考・ゼロ100思考に的をしぼった一冊です。「まさに自分のことだ」と思った方は、ここから入るのが分かりやすいです。
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■ 白黒思考を含め、認知の歪み全体をまとめて学びたい人に
『図解 認知のゆがみを直せば心がラクになる』(福井至・貝谷久宣 監修)
白黒思考だけでなく、いろいろな「考え方のクセ」を図解でまとめて理解できます。この記事のシリーズ全体の地図がほしい方におすすめです。
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■ 知識より「気持ちを楽にする考え方」がほしい人に
『ゼロ100思考さんのための「生きる」を楽にする『ゆる不真面目』のススメ』(Yugami. 著)
理屈よりも、肩の力を抜いて楽になりたい方へ。「ゆる不真面目」という言葉に少しでもホッとした方に。
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どれを読めばいいか迷ったら、まずは『白黒/ゼロ100思考』を。白黒思考に一番ダイレクトに向き合える一冊です。そこから物足りなくなったら、認知の歪み全体の本へ進むのがおすすめです。
大事なのは、完璧に読み切ろうとしないことです。全部読まなくていい。気になった章だけで十分です。「完璧に読めないなら買わない」というのも、実は白黒思考ですからね。
まとめ|まず今日、一つだけ試してみてください
最後に、一番大事なことをもう一度言います。白黒思考は性格ではなく、直せる「認知のクセ」です。完璧に直そうとしなくていい。それ自体が白黒思考だからです。
今日、一つだけでいいので試してみてください。何かをしたときに、「できた/できなかった」ではなく「今日は何点だったか」と考えてみる。それだけで、白黒思考から抜け出す最初の一歩になります。その小さな一歩が、あなたを少しずつ楽にしてくれます。
もっと知りたい方は、こちらもどうぞ。
▶ 考え方の土台「60点思考」(Day 1)
▶ ミスと向き不向きの実体験(Day 32)
▶ 記事マップ(全記事一覧)を見る

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