はじめまして、あるいはいつも読んでくださってありがとうございます。俺は47歳、これまで転職を30回くり返し、自己破産をして、いまは生活保護を受けながら暮らしています。糖尿病と狭心症も持っていて、完ぺきという言葉から、たぶん一番遠いところにいる人間です。
この記事は、そんな俺の自分史の続き(第29話)です。前回(Day 39)で、俺は生まれて初めて「続けられた」という感覚を手にしました。でも、そんなふうに少しずつ前に進みながらも、俺にはまだ、ずっと逃げ続けていた大きな問題が残っていました。お金です。
先に結論を書きます。俺は一度、自己破産までしています。それなのに、お金の管理からはずっと逃げ続けていました。でもそれは、俺がだらしないからではなく、一人で抱え込んで、見るのが怖かっただけでした。就労移行支援のスタッフと一緒に家計簿をつけ始めて、俺はやっと、お金と向き合い始めることができたんです。
Day 39の続き――続けられた俺にも、まだ残っていた問題があった
前回のDay 39で書いたように、就労移行支援に通い始めてから、俺は少しずつ「続ける」ということができるようになっていました。タイピングを毎日続けて、35点が220点を超えた。小さな自信も、少しずつ芽生えていました。
でも、それとは別のところで、俺の生活にはずっと解決していない問題がありました。お金です。この時期も、俺はデリバリーを後払いで頼み、いくつものサブスクに登録したまま、お金がどんどん出ていく生活を続けていました。
お金と向き合うのが、ずっと怖かった
正直に言います。俺は、お金と向き合うのが、ずっと怖かったんです。
考えてみれば、おかしな話です。俺は一度、自己破産までしている人間です。お金で人生が大きく傾いた経験を、身をもってしているはずでした。それなのに、まったく変わっていませんでした。お金が消えていくのを、ただ見ないふりでやり過ごしていたんです(このあたりの過去はDay 34やDay 36に書いています)。
自己破産という大きな出来事すら、俺のお金との向き合い方を変えてはくれませんでした。それくらい、俺はお金の管理に無頓着だったんです。
見なければ、なかったことにできる気がしていた
なぜ向き合えなかったのか。いま振り返ると、俺は「見なければ、なかったことにできる」と、心のどこかで思っていたんだと思います。
銀行の残高を見るのが怖い。何にいくら使ったのか、確かめるのが怖い。だから、見ない。見なければ、その現実は自分に襲いかかってこない気がしていました。もちろん、そんなはずはありません。見ないあいだにも、お金は静かに消えていきます。でも、当時の俺には、それを直視する勇気がありませんでした。
でも、スタッフと一緒に、明細をつけ始めた
そんな俺が変わるきっかけになったのが、就労移行支援のスタッフの存在でした。
スタッフの人と、細かく話をしました。何にいくら使っているのか、一つずつ明細をつけていく。そして、これからどうしていくかを、一緒に考える。最初は、自分の情けない数字を人に見せるようで、正直、気まずさもありました。目を背けたかった現実が、紙の上にはっきりと並ぶんですから。
でも、逃げずに一つずつ書き出していくうちに、少しずつ「見る」ことに慣れていきました。何にお金が消えているのか、初めて自分の目で確かめられたんです。
一人ではできなかったことが、誰かと一緒ならできた
ここで気づいたことがあります。俺がずっとお金と向き合えなかったのは、一人でやろうとしていたからだ、ということです。
一人だと、どうしても怖くて、見ないふりをしてしまう。でも、隣に一緒に考えてくれる人がいると、不思議と向き合えました。責められるわけでも、説教されるわけでもない。ただ、一緒に数字を見て、一緒に「どうしようか」と考えてくれる。それだけで、あんなに怖かったお金と、向き合えるようになったんです。
お金の管理ができなかったのは、俺がだらしない人間だからだと、ずっと思っていました。でも本当は、一人で抱え込んでいただけだったのかもしれません。
正直に言うと、まだ完全には直っていなかった
ただ、ここで「それからお金の問題は全部解決しました」と書けたら気持ちいいのですが、そうではありません。正直に書きます。
この時期も、デリバリーを後払いで頼む習慣は、すぐにはなくなりませんでした。それに、気づけばいくつものサブスクに同時に登録していました。学びたい気持ちからいろいろなオンラインの学習サービスに申し込んで、その費用がかなりかさんでいたんです。
だから、家計簿をつけ始めたからといって、いきなり生まれ変わったわけではありません。相変わらず、お金の使い方には問題が残っていました。でも、以前と決定的に違ったのは、その現実から目を背けず、「見て」いたことです。一度に全部は変わらない。それでも、見始めたことには意味があったと思っています。
それでも、自分で少しだけ稼ぐ経験もした
お金の「出ていく側」と向き合い始めたこの時期、じつは「入ってくる側」でも、小さな経験をしました。
通っていた学習サービスの中に、動画の内容をブログ記事にして投稿すると、少しお金がもらえる仕組みがあったんです。俺はその記事を書いて、月に1万円ちょっとの収入を得ていました。いまと違って当時はAIなんてありませんから、全部自分で書いていて、1記事仕上げるのにずいぶん時間がかかりました。
金額としては、たった1万円ちょっとです。でも、自分の手を動かして、自分でお金を生み出した。この経験は、俺にとって思っていた以上に大きなものでした。
お金と向き合うのは、完璧にやることじゃなかった
この時期を通して、俺はお金について一つ、大事なことを学びました。
お金と向き合うというのは、完璧に管理することでも、一円も無駄にしないことでもありません。まず、現実を「見る」こと。いくら入ってきて、いくら出ていっているのか、その事実から目を背けないこと。それが、すべての始まりでした。
俺はまだ、後払いもサブスクも完全には手放せていませんでした。それでも、「見る」ことだけは始められた。完璧じゃなくていい。まず見る。たったそれだけのことが、俺にとっては大きな一歩だったんです。
振り返り――だらしないからじゃない。一人で抱えず、まず見ればいい
こうして振り返ると、俺がずっとお金の管理から逃げていたのは、だらしない人間だったからではありませんでした。ただ、一人で抱え込んで、見るのが怖かっただけだったんです。
自己破産までしても変わらなかった俺が、スタッフと一緒に家計簿をつけ始めたことで、やっとお金と向き合えるようになりました。まだ問題は山ほど残っていましたが、それでも「見る」という一歩を踏み出せたことは、俺にとって間違いなく前進でした。
もしいま、あなたもお金と向き合うのが怖いなら、無理に完璧を目指さなくて大丈夫です。まず見る。それも、一人で抱え込まずに。この「一人で抱えない」「小さな一歩から始める」という考え方は、このブログの土台でもあります。Day 1にまとめています。
あの頃の見方と、いまの見方
| できごと | 当時の見方 | いまの見方 |
|---|---|---|
| お金と向き合えなかった | 自分はだらしない人間 | 一人で抱え込んで怖かっただけ |
| 見ないようにしていた | 見なければ大丈夫 | 見ないと何も始まらなかった |
| スタッフと家計簿をつけた | 言われたからやった | 向き合う第一歩だった |
| まだ後払い・サブスクが残っていた | 直らない自分はダメ | 一度に全部は変わらなくていい |
| 自分で少し稼いだ | たった1万円ちょっと | 自分の力で得た大事な一歩 |
もし今、あなたも「お金と向き合うのが怖い」「管理できない自分が嫌だ」と感じているなら、それはあなたがだらしないからではありません。一人で抱え込まず、まず現実を見ることから始めれば大丈夫です。俺も、一人では見られませんでした。誰かと一緒でいいんです。完璧じゃなくていい。まず、見ることからです。
自分史と『考え方』の読み方ガイド
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。もしよかったら、あなたの気になるところから読んでみてください。
▶ お金の管理が苦手・向き合うのが怖い、と感じている人へ
Day 34(お金と余裕の話) / Day 36(デリバリー依存と10万円の請求) / Day 39(続けられた話) / Day 1(考え方の土台)
▶ 前回の続き・これまでの流れを読みたい人へ
Day 39 から順に、Day 12 まで時系列でさかのぼれます。
▶ このシリーズ全体の考え方を知りたい人へ
Day 1 / Day 3(全体ガイド)
次回も、この続きを書いていきます。お金とのつき合い方も、ここから少しずつ変わっていきます。よかったら、また読みに来てください。

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