働きたくても、動けなくなった――生活保護は、終わりではなく土台だった【Day 37】

自分史

はじめて読む方へ。俺は47歳、これまで転職を30回くり返し、自己破産をして、今は生活保護を受けています。糖尿病と狭心症も抱えていて、完璧という言葉から、たぶん一番遠いところにいる人間です。

この記事はDay 36(働いていたのに、お金は残らなかった話)の続きです。

まず結論から言います。俺はこの時期、だんだん家から出られなくなりました。働きたくても、体も心も動かない。手持ちのお金は尽きていき、抵抗を感じながらも、生活保護を受けることにしました。今になって思うのは、働けなくなったのは怠けたからじゃなく、心と体が本当に限界に達したサインだった、ということです。そして生活保護は、ダメになった証ではなく、もう一度立ち上がるための土台になりました。

Day 36の続き――仕事を辞めたあと、だんだん家から出られなくなった

通信系の仕事を辞めたあと、俺の生活は、少しずつ止まっていきました。その前後の話はDay 36に書いた通りです。

最初は「少し休めば、また動けるだろう」と思っていました。でも、その「少し」が、なかなか終わりませんでした。朝、起きても、外に出る理由が見つからない。買い物に行くのも、億劫でたまらない。気づけば、何日も家から一歩も出ない日が続くようになっていました。2022年の秋から冬にかけての頃です。

働きたくても、体も心も動かなくなっていた

誤解されたくないので、はっきり書いておきます。俺は、働きたくなかったわけじゃありません。むしろ「働かなきゃ」という気持ちは、ずっとありました。

ただ、その気持ちと、体と心が、まったくかみ合わなくなっていたんです。頭では「動け」と思っているのに、体が動かない。求人を見ようとしても、画面を開くだけで疲れてしまう。今まで30回も転職してきた俺が、次の一歩をどうしても踏み出せない。あのときの感覚は、怠けているという言葉では、とても説明できないものでした。

今なら分かります。あれは、心と体が本当に限界に達していたサインでした。Day 35で書いた「限界のサイン」が、働き方だけでなく、生活そのものに広がっていた時期だったんです。

手持ちのお金が、少しずつ尽きていった

働けなければ、当然、お金は入ってきません。それまでにあった手持ちのお金も、生活しているだけで、少しずつ減っていきました。

通帳の残高が減っていくのを見るたびに、胸がしめつけられました。「このままだと、どうなるんだろう」。その不安は、頭から離れませんでした。でも、不安に押しつぶされそうになるほど、余計に体は動かなくなる。悪い循環の中に、俺はいました。

生活保護を考えた――でも、正直、抵抗があった

お金が尽きかけたとき、頭に浮かんだのが、生活保護でした。でも、正直に言うと、抵抗がありました。

「生活保護を受けるのは、人として負けなんじゃないか」「まだ働けるはずだ」。そういう気持ちが、ずっと自分を止めていました。制度があることは知っていても、いざ自分が受けるとなると、恥ずかしさや後ろめたさが先に立ってしまう。あのときの俺は、そう感じていました。

でも、今になって思います。あの抵抗こそが、本当は一番、自分を追いつめていたのかもしれない、と。

それでも申請した――生活保護を受けることにした

最後は、もう選択肢がありませんでした。このままでは、本当に生きていけない。俺は抵抗を飲み込んで、生活保護を申請しました。

申請の過程は、決して気楽なものではありませんでした。それでも、受給が決まったとき、正直に言えば、ほっとしました。少なくとも、明日を生きるための土台ができた。追いつめられていた気持ちが、ほんの少しだけ、ゆるんだのを覚えています。

生活保護は、ダメになった証ではありませんでした。もう一度立ち上がるために、必要な土台だったんです。

「また同じ失敗を繰り返すのでは」という恐れ

土台ができても、心が晴れたわけではありませんでした。俺の中には、ずっと消えない恐れがありました。「また同じ失敗を、繰り返すんじゃないか」という恐れです。

これまで30回、仕事が続かなかった。すぐに辞めてしまう癖のことはDay 35やDay 8にも書きました。だから、たとえ土台ができても、「どうせまた同じことになる」という声が、頭の中で鳴りやみませんでした。

でも、今振り返って思うのは、その恐れは、消さなくてよかったということです。恐れを抱えたままでも、人は一歩ずつ進める。実際、俺はこのあと、少しずつではありますが、立て直しに向かっていくことになります。その話は、これから先の記事で書いていきます。

振り返り――働けなくなったのは限界のサイン、生活保護は再起の土台

この時期を振り返って、一番強く思うのは、働けなくなったことを「怠け」だと決めつけなくてよかった、ということです。

あれは、心と体が本当に限界に達したサインでした。そして生活保護は、負けでも終わりでもなく、もう一度立ち上がるための土台でした。あのとき制度に頼れたからこそ、今の俺があります。

自分がどうしてこうなったのか、続かなかった癖についてはDay 8に、どこに身を置くかの大切さはDay 31に、そして俺の考え方の一番の土台はDay 1に書いています。

迷ったら、ここだけ。
働けなくなったのは、怠けたからではなく、心と体が本当に限界に達したサインでした。生活保護は、ダメになった証ではなく、もう一度立ち上がるための土台になりました。

当時と今の、見方の整理

出来事当時の見方今の見方
家から出られなくなった自分は怠けている、だらしない心と体が限界に達したサインだった
働きたくても動けなかった気力が足りないだけ本当に力が尽きていた
お金が尽きていったまた失敗した、終わりだ立て直しが必要な時期に来ていた
生活保護に抵抗があった受けるのは恥ずかしい、負けだ頼っていい土台だった
生活保護を受けたダメになった証もう一度立ち上がるための土台
また失敗する恐れがあったこの恐れがある限り無理だ恐れを抱えたままでも、進めた

もし今、あなた自身が同じように苦しくて、動けなくなっているなら――どうか、一人で抱え込まないでください。信頼できる人や、お住まいの自治体の福祉窓口、公的な相談窓口に頼ることは、弱さではありません。俺も、あのとき誰かに頼れたから、今こうして書いていられます。

自分史と『考え方』の読み方ガイド

働けなくなって、生活保護をためらっている方・自分を責めてしまう方へ
Day 35(限界のサイン)Day 36(お金と心の余裕)Day 8(すぐ辞める癖)Day 31(居場所選び)Day 1(考え方の土台)

前の話・続きから読みたい方へ
Day 36から、さかのぼってDay 12まで、時系列で読めます。

全体の考え方を知りたい方へ
Day 1Day 3に、このシリーズ全体の土台と地図をまとめています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました